有難いことに、最近、「i-ppo handmade」のメンバー(等教室では生徒という呼び方はしていません。皆さんにお願いをして、先生という呼び方もお断りし、僕も皆さんからは名前で呼んでいただいています。)が、徐々にですが、増えています。
教室運営で生計を立てることは、全く考えていませんので、参加費も、長く通って頂ける価格にしているつもりです。遠く(埼玉や千葉、神奈川)から来ていただいているメンバーには、本当に感謝しています。
ホームページに、作家を目指す方に最適、と書いているのは、自分の夢のひとつが、ひとりでも多く「i-ppo handmade」から作家としてデビューし、末永く活躍して頂くことにあるからです。
この末永く、というのが一番重要だと思っています。
なぜなら、自分が色々なイベントに出展した経験上、数回の出展(1回でリタイアする人も多い。)で期待したような反応が得られず、ガッカリして諦める人が多いからです。
メンバーには、そのようなことがないよう、出来る限り、自分自身が、様々な種類のイベントに出展し、イベントごとの特徴と傾向、他の出展者の出店状況を調べ、メンバーにアドバイスできるようにと考えています。
ホームページやブログ、インスタを飽きずにやっているのも、いずれこの点についてもアドバイスできればいいな、と思っているからです。
作品創りにおいても、展示した際のラインナップをイメージして、将来的な作品スケジュールも含めたアドバイスをしています。
僕がそんな方針でいるため、メンバーの多くは、将来自分が作品を発表、販売することを意識しながら制作しています。さらに、トータルな作品創りの楽しさが伝わればいいな、と思っています。
過去、自分自身も様々なハンドメイド系の教室に通いましたが、こんな風になればいいな、という教室のイメージには、まだまだ到達していませんが・・。
ただ、メンバーの数が増えすぎると、一人一人の目指す方向がわからなくなるので、一定の人数に達したら、それ以上増やさないようにしたい、とは考えています。
また、陶芸の窯も導入しましたので、これからは陶人形も手掛けていきます。
これも、メンバーの作品のラインナップを増やす一助になればいいな、と思っています。
小田急線豪徳寺から徒歩3~4分のところに、素敵な本屋兼雑貨屋さんがあります。
10月にオープンしたばかりで、店主の池谷さんの話によると、小さなパリの本屋さんのイメージを目指しているとのこと。(もう十分そんな感じですが。)店主のセンスが、あちこちにキラリと光っています。また、本が大好きで、一生本と付き合っていく、とおっしゃっています。
僕が、たまたま開店の日に訪れて、店内で行っていたデコパージュのワークショップに参加した時、人形とぬいぐるみを制作していることをお話して、名刺を渡したところ、翌日メールで、これも何かのご縁、店内に僕の作品を展示したい、とおっしゃってくれました。
この展示は、11月末まで行う予定で、大小26点ばかり、展示していただきました。
有難いことに、店内の雰囲気にぴったりのようで、お客さん(特に小さいお子さん)の評判も上々とのことです。
池谷さんは、まだまだ若いのですが、兼ねてからの「パリの本屋さんのような店舗を持つ」、という夢を実現すべく、お店を物色していたらしいのですが、イメージにぴったりの物件があり、この場所に決めたとのこと。
なんと、横浜から、世田谷に通っています!
こんな話を聞くと、とても爽やかな気持ちになります。
仮に、何かの事情で何年後かにお店を畳むことになったとしても、夢は実現したのですから。お店は、夢があふれて、キラキラ輝いていました。
大半の人は、大人になって夢そのものを忘れてしまうか、思い描くだけで実行に移さないで、短い生涯を終えていくというのに・・。
池谷さんの、「こんな店にいていきたい」という話を聞いていると、「人生って素晴らしいな」「希望を抱くって素敵だな」と思い、聞いているだけで、ワクワクしてきます。
彼女の話を聞いて、自分自身も、今ある、ささやかな幾つかの夢を、諦めないで実現していこう、という勇気を貰いました。
ヌイブックス 世田谷区豪徳寺1-15-2 11:00~20:00 不定休 ツイッターで告知
デザインフェスタVol46も無事終了しました。
お祭りのような賑わいも、あっという間の出来事、何人かの作家さんとも新たにお知り合いになれて、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
デザインフェスタ未経験で、これから出展を考えている人の参考になればと思い、今回は、ブースの設置方法について、思うところを書いてみます。
昨年の11月出展では、180cm×180cmのMブース。今回は奥行き90cm×幅180cmのSブースを選択しました。自分の場合、作品の売れ行きは、殆ど変わらなかったので、出展作品が多くなくて、Sで収まるなら、出展料も約半額のSがお勧めです。
問題は、テーブルサイズです。まず、レンタル業者が提供するのは、幅180cmと、150cmがあります。
はっきりいって、個人出展でワンブースの場合、180cmはNGです。周囲を見渡すと、180cm幅のテーブルで展示している人がいますが、テーブルを出入りする時、横のブースを通ることになり、かつ横のブースの人にも窮屈な思いをさせます(横の人が150cmでも、15cmの幅しか確保できなくなる。)。僕の場合幸い両隣も150cmだったので、左右に30cmの幅が出来て、ようやく通り抜けるスペースが確保できました。
180cmのテーブルがあるのは、2ブース並べて展示する場合、180cm+150cmの選択肢があるからだと思います。
今回悩んだのが、テーブルの奥行きのタイプが45cmと60cmの2種類あったこと。
60cmを選択した場合、奥行きに残された幅が30cmしかなくなり、果たして自分が入れるかどうか、という恐れがありました。レンタル業者に電話で聞いてみたところ、60cmで展示する人が結構いるので、問題ないです、という回答を得たので、最終的に60cm×150cmを選択しました(展示スペースが30%位増えます。)。
しかし、30cmのスペースに入るのは、小柄な女性以外は、かなり厳しいので、お勧めしません。僕は、身長171cm体重58kgと比較的スリムですが、それでも相当窮屈な思いをしました。体格の良い人は物理的に無理でしょう。45cmが無難と思います。
60cmを選択した場合、机を壁にくっつけて、自分が前面に出て、作品の説明をする、というスタイルを選択する人も、結構います。この場合椅子に座れませんし、食事もとれませんが、二人で交代して休めるなら、来場者との交流ができるこの選択が、ベストかと思います。
平面作品の場合は、パネルを借りて後方設置すれば、相当作品は展示できます(左右に設置する人もいます。)。
また、Sの場合、奥行き180cm×幅90cmという選択肢もあり、アクセサリーのような小さな作品の場合、この選択も良いと思います(自分が座るスペースがたっぷりと取れて楽です。)。
以上、出展する方の参考になれば、幸いです。
明日から、デザインフェスタです。
春は抽選に落ちたので、1年ぶりとなります。
昨年の反省事項をふまえ、今回はいろいろと変更点があります。
まず、出展料が高いので、フルブースをやめて、半ブースにしました。
設置面積は半分になりますが、これがどのような影響を及ぼすか、予測がつきません。
陶器のブローチは、昨年全く反応がなかったので、持っていく予定はありません。
陶器系は、全般的に数を減らしました。
陶器は、自分の作品ラインナップ中、けっこう主流なのですが、なにしろ重たいし、割れるので、今回は、ほんの僅かにしました。
荷物は、今年の前半からすべて手持ちにしているので、配送料、保管料がかかりません。
(10月からの、ヤマトの値上がりは、ハンドメイド作家にとっては、痛いですよね。)
その他の作品ラインナップもかなり変わりました。
テディベアは、昨年ほとんど無反応だったので、これも、持っていくのは数点です。
昨年反応が良かった、小さめの、ぬいぐるみをたくさん持っていく予定です。
はたして、どのような反応があるか、ドキドキです。
思い起こすと、昨年出展したものと、今回では、相当作るものが異なってきているな、と思います。
インスタを始めてから、作品の客観的な評価が、ある程度事前に把握できるようになったからだと思いますが、実際の展示とどう影響してくるか。
なにしろ、デザフェスは、他の展示会に比べて、来場者が圧倒的に多いので、インスタがどの程度影響するか読めないとことがあります。
残念ながら、今回もブースは奥のほう(E-279)。会場もだだっ広いので、来場者も、買い物が終わり、疲れ切ったころに訪れてくれるので、ハンディはありますが、それは度外視して、デザフェスならではの、お祭りのような雰囲気を楽しみたいと思います。
概ね、作家(絵画、造形)は、最初プリミティブ(拙い、と言い換えてもいいです。)な雰囲気を有していても、テクニック、技量が上がると、洗練の方向に向かう人が多いですよね。
自分が表現したかったものを、表現できるようになることが、洗練に通じる場合が多いからだと、思っています。
しかし、敢えて、意図的にプリミティブな雰囲気を守る作家もいます。
中には、本人の意図に反して、いつまでたっても技量が上がらず、結果としてスタートした時のイメージをそのまま、残す人もいますが、それがその作家の味になっていたりします。
画家のルソーがその典型でしょうか?
未開の地の人形や、子供の作品は、強烈な魅力がありますが、技量がないぶん、むき出しの感性に溢れています。
作品の味、雰囲気を作るためには技量やテクニックを上げるだけではダメでだと思います。そこが作品創りの難しいところであり、面白いところでもあるのでしょう。
圧倒的な技量、テクニックを持ち、なおかつ、自分の表現したいところだけに、その技量を使えるようになると、魅力的な作品ができる素地ができるのではないでしょうか。
職人の世界では、圧倒的に技量(場合によっては100%)が一番に来ると思いますが、芸術作品ではそうではない。
個人的な思いとしては、陶芸(器)などでは、技量7、表現が3と思いますが、陶芸の世界でも、これが逆転する場合もあるのでは。
絵画や一般的な造形、彫塑などは、ある意味表現がすべてであり、自分が表現したいことに、技量がどれだけ追いついているかだと思います。
たまたま、とても素晴らしい素地(才能)があり、スタート時点は圧倒的な魅力があったのに、基礎的なテクニックを身につけたがために、それなりに上手になり、すっかり凡庸な作品しか作れなくなった、というなら、なんとも皮肉で、残酷なものですね。
(長年、インスタで作品を発表している人で、ドンドン達者になっているのに、最初の頃の作品の方が魅力的だったな、と思える人、結構います。お前はどうなんだ、と言われそうですが、自分のこととなると、さっぱりわかりません。)
先日、上野に「北斎とジャポニスム展」を観に行ってきました。
平日の午前にもかかわらず、すごい混みようです。土日は避けた方がいいかも。
葛飾北斎の作品が110点、その影響を受けた西洋の作品が200点以上と、いつもの国立西洋美術館の企画展より、相当展示作品数が多く、見応えがありました。
北斎の作品と、その作品に影響を受けた西洋の画家の作品が比較できるように並べられており、北斎を始めとした当時の江戸の浮世絵や錦絵が、いかに印象派の画家に衝撃を与えたかが、よくわかる展示内容になっていました。
特に、かの有名な「北斎漫画」をお手本に、大勢の西洋の画家が、モチーフを拝借しているのには、本当に驚かされます。
中には、印象派の巨匠達もいるのですが、それだけ、北斎のスケッチ?が活き活きと描かれていたからでしょう。
4000図が描かれている北斎漫画は、一体どれほどの情熱を傾けて描かれたのか、想像するだけでわくわくします。(北斎自身は、これらを、気の向くままに漫然と描いた画だ、と言っていたようですが。)これだけ西洋画壇に影響を与えたことを、北斎は全く知ることがなかったのでしょうね。
展示作品のうち、特に衝撃的だったのが、富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の意匠的な波!
この浮世絵が当時の西洋の画家に与えたショックは相当なものだったようで、実に多くの画家が、これに啓発されて、様々な作品を制作していることが見て取れました。
北斎が浮世絵の大家であることは、承知していましたが、西洋の画家から見た北斎、という視点で、今までとは異なった角度から、改めて、北斎浮世絵の魅力を発見することができ、貴重な1日となりました。
なお、北斎は90歳まで生きて、絵を描きけたことで知られています。
今回このブログの記事を書くにあたって、ウキペディアを読んで初めて知ったのですが、死ぬ間際に北斎が言った言葉が、「天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずや本物といえる画工になり得たであろう」であったとか。
いや、本当に凄い人だったのですね。