制作の対価

i-ppoたおか 田岡正臣 下高井戸 東京 テディベア 杉並
昆虫採集の標本みたい(これネイアニに出展します。)

だいぶ前の話ですが、自転車で転んで、軽く頭を打ったので、念のため医者に行った時の話。レントゲンを撮ってもらって特に問題はなかったのですが、レントゲン代の他に、請求の欄に、外科治療費の項目があったので、これは何かと聞いたら、看護師さんが、擦りむいたところに、簡単に消毒液をつけて、包帯を巻いてくれた治療費とのことでした(勿論、自分でも出来る範囲のことです。)

これが、もし、保険適用がないとしたら、7,000円位だったことを覚えています。治療に要した時間は数分です。

この時は、なんと高額な対価か、と呆れかえりました。

今、アルバイトの時給は、1,000円前後でしょう。

では、ハンドメイド作家の時給は、というと、ピンキリですが、アルバイトの時給を上回っている人は、明らかに少数派です。

よく、冗談で、作家同士で時給100円とか言ったりしますが、これは人によっては、決して冗談ではありません。売りたいがために、単価を下げている人では、実際あり得る話です。

そうでなくとも、自分で、必要以上にこだわって時間がかかったところ、やり直したところは、価格に反映できません。

一部の人を除けば、アルバイトの時給程度の人が大半です。

では、なぜこんなに沢山のハンドメイド作家がいて、さらに増え続けているのか。

すでにハンドメイド作家の人は百も承知のことですが、作ることがすごく「楽しい」からです。実際、(別に収入があって)只でも喜んでもらってくれる人がいたら、作り続けたい、という人がいるのです(だからと言って、極端に安い値段で売るのは、市場を荒らすマナー違反行為ですが。)。

映画を観たり、温泉に行ったりすると、お金を払いますが、自分が楽しんで、かつお金ももらえるなんて、夢のような話です。

だから、楽しんでいる人は、時給1,000円でも、決して安くないのです(と僕は密かに思っています。)。しかし、ハンドメイドの対価だけで、家賃を払ったり、食費を賄ったりと思うと、時として、(売れるからと思って)作りたくないものを作る羽目になりがちです。

 

一部の売れっ子作家を除けば、創作収入+別の(あまり忙しくない)安定した収入の二股で行くのが、最も作りたいものを作れる幸せな環境ではないか、と思います。