世の中にはアートに興味がない、という人達がいます。
ではどれくらいいるか、というと見当もつきませんが、音楽はバックグランドミュージック、絵画や造形物は、飾り・装飾品、文学や映画は、物語、ストーリーを追って楽しむもの、それ以上の価値はない、と思っている人は確実にいます。
もちろん、必要以上にアートに興味がわかないことに対する恩恵・メリットも多いと思います。
アートが人並み以上に好き、ということは、頭の良さではなく、感受性、感性の問題です。
鋭い感受性というのは、概ね生きて行く上ではやっかいな荷物です。
トーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」の主人公に共感を覚える人なら、この「やっかいさ」には、きっと頷けると思います。
感受性が鋭くない分、図太かったり、強気だったり、素直だったり、裏表がなかったり、さっぱりしていたり、あっけらかんとしていたり、良い面は幾等でもあるのですから。
アートだけでなく、人生は等価交換の法則が成り立っていますよね。何かが少なければ、何かが多い(増える)。おそらくアートに興味がない人は、その喜び、楽しさ、深さを生まれた時から知らないのですから、特段の不都合はないと思います。
その分、生きていくうえで、力強さを持っているし、別の楽しみを持っていると思います。しかも、生涯一度も経験しない感情や、喜び、楽しみは、その人にとってはこの世に存在しないものに等しいのではないでしょうか。
僕は、自分自身にとって、アートは人生の花、アートがあってこその人生と思っていますが、アートに価値を求めないからと言って、その人が生きて行く上で損している、とうことは絶対に無いと思いますね。
実際、アートがなくても、生きていく上では、全く困らないのですから。
(でも、僕は、アートが好きな自分で良かった、といつも思います・・・。ちょっと傲慢でしょうか。)
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