同工異曲という言葉があります。
見た目は異なるけれど、内容は似たり寄ったりであること、違っているようで実は大体同じようなことをいいます。
僕がメインに制作している人形ぬいぐるみの世界で、人気のある作家でも、このタイプの人は多いと思います。
極端な場合、殆ど同じ作品を、(想定ですが)人気があるからという理由で、延々と作り続けている人もいます。
個性があるからこそ、同工異曲なるという見方もあるのですが、僕の考えでは、ちょっと違います。
大きさ、色、動物などのモチーフが違うだけで、趣向はどれも殆ど同じであっても、その作家を支持するファンが飽きていないうちは、人気は続くと思います。
しかし、テディベアやぬいぐるみの世界のファンは限定されており、毎年の新規参入者はわずかです。作家が固定しているため、ファン層が、何度も触れている間に、次第に飽きてくると思います。
もっと広い、音楽の世界でも、あるアーティストが、同じような曲(同工異曲)ばかり書いていると、その曲調が新鮮で魅力的なうちは良いのですが、時の経過とともに、やがてどこかで聞いたような曲ばかりになり、ファンは他のアーティストに目移りしていきます。
早ければ数年、長くても10年で、多くのアーティストが消えていくのは、飽きられるからではないでしょうか。桑田佳祐や松任谷由実が何故、長年にわたって支持されているか。
僕は、曲のテイスト、バリエーションが豊富で、時の経過によって、少しずつ変わっていくからだと思います。いわゆる「引き出し」が豊富で、かつ当人も変化を心掛けているから。
テディベアやぬいぐるみの世界でも、10年選手、20年選手はとても少ないのですが、(例外もありますが、)この方々の、10年前、20年前の作品は、今とは、かなりテイストが異なった作品を製作していたようです。
変化することはリスクもあるのですが、僕も、可能な限り、新しいことにチャレンジしていけるだけの、柔軟さを持ち続けていきたい、と思います。
2018/04/03
コメントをお書きください