僕が、ぬいぐるみ・人形教室をやっていることを周囲にお話しすると、時々、自分もぬいぐるみや人形が大好きだ、という方がいますので、「では一度体験してみませんか」、とワークショップへの参加をお誘いします。
そうすると、判で押したように、「いや不器用ですから」という答えが返ってきます。
「ぬいぐるみや人形が大好き」というのが、社交辞令である可能性もあるのですが、僕が、不器用かどうかは、創作する上で、障害にはならないというと、面白いことに、自分がいかに不器用であるかを、実例を出して力説してくれます。
過去の経験から言うと、ほぼ100%に近い人が、自分が不器用であることを強調します。
実は、今、僕の教室に通って頂いているメンバーの、8割以上の方が、「自分は相当不器用だが、大丈夫でしょうか」と、最初に発言されているのです。
勿論、日本人特有の謙遜が入っていることも承知していますが、どうも、本気でそう思われている方が、多いようです。
僕は、不器用であることが、創作の足枷になることはない、と確信しています。
僕自身も、決して器用な方ではありません(というと、そんな訳ないだろう、と怒る人までいますが。)。
世の中には、並外れて器用な人がいるものですが、その器用さは、創作する上で、メリットにもなりますが、デメリットにもなるのです。
技術的なことは、訓練で上達していきますので、器用さは、あまり関係ないと思います。
「でも自分は、並外れて不器用だから、例外だ。」という人がいることも知っています。
創作において大切なのは、作る対象が好きであること(この場合、ぬいぐるみや人形が好きであること)、作ること自体が好きなこと、この二つだと僕は思っています。
創ることが好きな人は、大体小中高で、何らかの創作体験があります。
遅い方でも、20代前半までには、どこかで創作経験があるのではないか、と思います。
料理が楽しい人や、旅先でワークショップ(陶芸とかアクセサリー作り)に参加したいと思う人は、大丈夫です。
手先が器用な人=創作が好きな人、ではないと思います。
どうか、自分が不器用であると思うことで、やりたいことにブレーキがかかっている方、一歩を踏み出してください。
一歩踏み出したその先に、素晴らしい世界が広がっていますよ。
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