あけましておめでとうございます。
今回は、次回に続き、ファーの質感について、思うところを書いていきます。
次回、羊毛フェルトと、テディベアを含むぬいぐるみの、自分が思う欠点と長所を、書きましたが、昨年末に自分なりに出した結論があります。
以前から、様々なファーを使って、型紙を使うことなく、作品を作れないか、と思っていたのですが、実は1年程前、紙粘土で成形したものの上に、モヘアを継ぎ目なく張っていけば良い、と思い当って、実行してみたのです。
結果は、途中で断念するほど、継ぎ目がきたなく重なって、「ああ、この方法はだめだな」と諦めた経緯があります。
ところが、Instagramで世界中の作家さんの作品を見ていると、どうも成形した粘土の上からファーを張ったとしか思えない作品も、僅かながら、あるのです。
出来ないことはないのだな、ということが次第にわかってきました。
日本の作家さんでも、顔がビスク製で、その他はファー、という方が若干名いらっしゃいますが、それは、縫製した作品に、仮面のようにビスクを、内側から張り合わせているので、制作過程は全く異なります。
昨年の10月頃、閃くものがあって、デザインフェスタが終わったら試そうと思っていましたが、11月頃より試作品を試行錯誤しながら、制作し、年を越すまでに、3作ほど、この手法で制作してみました。
結果は、まあ、なんとか継ぎ目なく作ることができるようになったのですが、まだ発展途上です。
この手法だと、型紙に捉われることなく、自由に成形できるので、モコモコの人形を、想像したとおりに制作できるのです(勿論羊毛フェルトでもそれは可能ですが、素材に縛られます。)。制作途中に体形を変えたり、顔の形を変えたり、大きくしたり、小さくしたりも可能です。
但し、ぬいぐるみに比べて、触ったときのフワフワ感がないのが、少し違うところです(紙粘土だと、僅かな弾性があり、テディベアで、綿をしっかり詰めて作った時の感触に近いような気がします。もう少し制作してテクニックが整理されたら、教室のメンバーにも伝授してきたいな、と思っています。
今後は、この製法で、型紙で作るのが大変な、自由度の高い形(かたち)の動物達を作っていこう、と考えています。あれこれ想像するとワクワクしてきます。