まぐれに注意

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 東京 陶器 陶人形 ねこ
オーストラリア親善大使?

作り手が気をつけたいこと(もちろん個人的意見ですが)の一つに、まぐれに注意する、ということが挙げられます。

数をこなしているうちに、たまたま実力より遥かに魅力的な作品が仕上がることがあります。見てくれた人の反応が違うので、すぐ気づきます。

神様が助けてくれたのかなあ、と思ったりします。

これを十分理解していればいいのですが、作家さんの中には、まぐれで出来上がった(と思われる)作品を非売品にし、これをどこの展示会にも持っていき、「私の本来の作品はこれです」とばかりに、目立つところに展示している方がたまにいらっしゃいます。

見ていて、若干痛いのですが、これはまだ比較的症状が軽い方で、このまぐれで出来た自分の作品を自分で模倣する方がいます。

しかも、色や形を少しだけ変えて、大量に模倣して、それを中心に売っている方も、ごくまれにいます。

多分、作っていて面白くないだろうな、楽しくないだろうな、と思いますが、お客さんの反応は、他のオリジナル作品より良いので、そこにすがっていくのでしょう。

まあ、他の作家さんの作品を模倣するよりは、遥かに良いのですが、どんどんオリジナリティが枯れていく気がします。

僕は、作家としての、自分の作品の実力は、10点作って、一番魅力がなかったものだ、と思います(ダメと判断して、中断したものは除く。)。

また、そう考えたほうが、メリットが多く、デメリットは少ないと思います。

よく、おしゃれも、たまにまぐれで素敵に着こなせても、一番冴えない着こなしの日が、その人の、おしゃれの実力というじゃないですか。それと似たようなことでしょうか。

でも、一番大切なのは、新しいモチーフや、素材、テーマにチャレンジすることが、作品作りの一番楽しい部分だ、ということです。

これを放棄してまで、出来の良かった作品を追いかけるのは、何か本末転倒のような気がします。くれぐれもまぐれに注意したいと思います。

とはいっても、たまたま、思いがけず良い作品が出来たときは、すごく嬉しいのですが。