北斎とジャポニスム展

先日、上野に「北斎とジャポニスム展」を観に行ってきました。

平日の午前にもかかわらず、すごい混みようです。土日は避けた方がいいかも。

葛飾北斎の作品が110点、その影響を受けた西洋の作品が200点以上と、いつもの国立西洋美術館の企画展より、相当展示作品数が多く、見応えがありました。

北斎の作品と、その作品に影響を受けた西洋の画家の作品が比較できるように並べられており、北斎を始めとした当時の江戸の浮世絵や錦絵が、いかに印象派の画家に衝撃を与えたかが、よくわかる展示内容になっていました。

特に、かの有名な「北斎漫画」をお手本に、大勢の西洋の画家が、モチーフを拝借しているのには、本当に驚かされます。

中には、印象派の巨匠達もいるのですが、それだけ、北斎のスケッチ?が活き活きと描かれていたからでしょう。

4000図が描かれている北斎漫画は、一体どれほどの情熱を傾けて描かれたのか、想像するだけでわくわくします。(北斎自身は、これらを、気の向くままに漫然と描いた画だ、と言っていたようですが。)これだけ西洋画壇に影響を与えたことを、北斎は全く知ることがなかったのでしょうね。

展示作品のうち、特に衝撃的だったのが、富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の意匠的な波!

この浮世絵が当時の西洋の画家に与えたショックは相当なものだったようで、実に多くの画家が、これに啓発されて、様々な作品を制作していることが見て取れました。

北斎が浮世絵の大家であることは、承知していましたが、西洋の画家から見た北斎、という視点で、今までとは異なった角度から、改めて、北斎浮世絵の魅力を発見することができ、貴重な1日となりました。

なお、北斎は90歳まで生きて、絵を描きけたことで知られています。

今回このブログの記事を書くにあたって、ウキペディアを読んで初めて知ったのですが、死ぬ間際に北斎が言った言葉が、「天があと5年の間、命保つことを私に許されたなら、必ずや本物といえる画工になり得たであろう」であったとか。

 

いや、本当に凄い人だったのですね。