初心忘するべからず

i-ppoたおか 田岡正臣 経堂 ネコ イラスト
お手て繋いで~♪

毎回イベントに出展して思うのですが、初めての出展にはけっこうドキドキします。

6月の、「ドールワールドフェスティバル2017」は2回目の出展でしたので、会場の様子や、開催までの準備の流れがわかっていたのでため、随分と余裕を持って臨めましたが、初めての場合は、やや緊張感が高まります。

何か大きく勘違いしていることがあるといけないので、開催要領も読み込みますし、準備作業にも、余裕を持って、早めに出かけます。

ドキドキとワクワクが丁度いい塩梅なのが理想なのですが、やはり2度目以降のイベント出展は、気が緩みます。

準備時間も予想できるので、6月のイベントはけっこうギリギリに行きましたが、両面テープなど、大事なものを忘れたりします。

何回経験しても、「初心忘るべからず」で臨むのべきだな、と思うのですが、実は、大きな思い違いをしていることに、つい先日気づきました。

今僕は、慣れたと言って慢心しないで、初めての初々しい気持ちをいつまでも失わないようにという意味で「初心忘るべからず」という言葉を使ったのですが、そう思っている方も多いのでは?

実は、ネットで調べたところ、これは、世阿弥が芸事についていった言葉だったのです。

世阿弥の言う「初心」とは「始めた頃の気持ち」ではなく、「芸の未熟さ」らしいのです。
初心者の頃の不完全な、みっともない未熟さを時々思い出すことにより、「あの頃のお粗末な状態には戻りたくないな」と思うことでさらに精進できるのだ、というのが本来の意味。おー、なんという厳しさ。

これは、大いに思い当たる節があり、昨年、個展を開催する際に、遥か昔に描いた自分の絵を観た時のことを思い出しました。

描いた当時は上出来だと思った絵が、時を経て振り返ると、なんともお粗末であることに気づいた時、やはり、同じことを感じました。

でも、今の自分にとっては、「初心忘るべからず」は、慢心しないで、初々しい気持ちをいつまでも失わないように、という意味の方がしっくりします。

 

世阿弥の見解は、頭の片隅に置いておいて、いつまでも、初心のドキドキを失くさないようにしたい、と思っています。