厳しい評価と嬉しい評価

ものを創ると、作品に対する他人の評価がとても気になります。

他人の批評なんて関係ない、自分の作りたいものを作りたいように創れば満足だ、という人もいるでしょうが、これは少数派だと思います。

僕は、作品を褒めてもらったり、肯定的な評価を頂くと、とてもモチベーションが上がります。

でも、個展などの場合、友人や知人が来てくれると、厳しい批評はなく、褒めてくれる方が多い(多分僕だけでなく、個展を開催した人すべてに言えることだと思います。)ようです。これはこれで有難いし、嬉しいのですが、褒められっぱなしで、厳しさがないぶん、半信半疑になってしまいます(贅沢な話ですが。)。

厳しい批評が聴きたいときは、親しい友人に、敢えて辛口の批評を頼んでいますが、これが大きなヒントとなることがあるので、意識的に時々お願いしています。

現状で、最も厳しいのは、多数の作家が競合するフェスタやコンベンションへの出展です。

ここに来る人たちは、コンベンションで展示されるジャンルが好きな人達。

自分が観に行く時もそうですが、立ち止まるのは自分が気に入ったブース、良いなと思ったブースだけ。まれに、全ブースをじっくり観る人もいますが、少数派です。たいしたことないな、好きじゃないな、と思ったら、少し観て立ち去ります。

最も厳しい批評は、ちらっと一瞥し、さっと通り過ぎていくこと。

無視される程、厳しい批評はありませんが、すべての人に評価されるなどあり得ないので、一定割合は想定内です。

というか、僕の場合、立ち止まってくれる人のほうが少ないのですが・・・。

2~3人で来て、立ち止まってくれた場合、作り手がその場にいようがいまいが、作品ごとの批評をしてくれますので、これは耳をダンボにして聞いています。

一番嬉しいのは、1人で来て、無言で11点じっくりと観てくれる人。

そういった人達の中で、ごくまれに、二度見に来てくれる人がいます。

自分が観に行った場合、後でもう一度観よう、と思うのは、すごく作品の世界観が気に入って、帰りに、もう一度しっかり観察して、場合によっては何か買って帰ろう、目にしっかりと作品を焼き付けて帰ろう、と思う時で、1回のコンベンションで2~3箇所のブースだけです。

それゆえに、さっきじっくり観てくれた人が、また来てくれた時は、とても嬉しく思います。しっかりと話しかけ、どの辺りが気に入ってくれたのかも、聞いてみます。

1日で、二度訪れてくれる、というのが、自分にとっての最大最高の評価であり、間違いなく、次回作のモチベーションにつながります。これは、自分の作品を買ってくれる、くれないに関わらず、です。