ハンドメイド作家が自分の作品を売るにあたっては、様々なスタイルがありますが、夫々について、思うところを書いてみます。個人的に最もふさわしいと思うのは、展示会や個展などで、お客様と対面して販売する方法。
何故これが一番良いかというと、直に作品に対するコメントをたくさん聞ける、どのような方に買って頂けるかわかる、お客様の要望も直接聞ける、他の作家との交流を図れる、等々メリットが沢山あります。
また、コアなファン層が来るため、作品を並べることで、宣伝効果も大きいと思います。
但し、大都市周辺に住居がないと、泊りなどで参加したら、コスト高になってしまうという大きなデメリットがあります。行き帰りの時間も馬鹿にならないため、大都市、特に東京周辺に住んでいる方には大きなアドバンテージがあります。
東京近辺では、1年中どこかで展示会、イベントが開催されており、自分の作品のジャンルに合った展示会を選択できます。
次にネットで売る方法があります。
これも実に様々なスタイルがあり、ミンネやクリーマのようなマーケットプレイス、SNS、ホームページ、ブログ、フリマなどで売る方法などがあり、まさに百花繚乱といったところ。
夫々にメリットデメリットがあると思いますが、未体験のものが多く、是非のコメントは差し控えますが、対面販売だけだと、自分の住む地域から離れた方に販売できない、という大きなデメリットがあります(サイトやSNSの器が大きいと、大変な宣伝効果がある、というメリットがあると思いますが、あまり手を広げすぎると収支がつかなくなると思います。)。
自分の場合も、ホームページやブログ、インスタなどで、作品を買いたいがどうすればいいか、というとう問い合わせを時々頂き、対応に苦慮していました(ようやく、9月中にHPにSHOPPINGページを開設し、この問題はひとまず解決しました。)
次に、実店舗に委託販売をお願いする方法。
今も数か所にお願いしていますが、作品の展示数に限界があること、委託手数料が馬鹿にならないこと、お客さんの顔が見えないこと、その店舗に訪れるお客様にだけに見てもらうので、広告宣伝効果は薄いということがあり、今後大幅に委託販売を広げようとは思いません。
(個人的な)結論としては、展示会・イベント中心で販売し、展示会・イベントに来場出来ないようなお客様に対して補完的にネット(HP+もう一つ別の方法)で販売する、というスタンスでいこうかな、と思っています。
以前からオンラインショップの開設を計画していましたが、重い腰を上げ、今日9月20日から、ホームページに「shopping」ページを設けて、ネット販売を開始しました。
これからも、体力が続く限り、販売のメインは、展示会出展中心で行きたいと思っているのですが、インスタや、展示会で、ネット販売してほしいという、お客様からの要望があり、月1回程度(場合によっては2カ月に1回になるかも)は、内容を更新して、ネット販売していくことにしました。
特に、東京から離れたところにお住まいで、僕の作品が欲しいという方には、随分、お待たせをしてしまい、申し訳ないことをしたと思っています。
計画してから、なんと1年以上が経過してしまいましたが、いざ準備をしようと思うと、送料のこと、包装のこと、支払い方法のこと、どこで出すか(クリーマ、ミンネ、ヤフオク等)、宅配業者を何処にするか、などなど色々な問題があり、考えていると、頭の中で整理できなくなってしまい、棚上げ状態で、延び延びとなってしまいました。
このままではいけない、と思い、先月、Instagramで、9月中旬に、ネット販売することを予告し、もう自分が逃げられないようにして、やっと本気モードで、ホームページの
改定に取りかかることが出来ました。
その後、「9月中旬が楽しみだ」というインスタのコメントやDMを頂き、プレッシャーの中で、なんとか完成した次第です。
色々悩んだ結果、完璧は諦めて、ホームページ内にshoppingページを設け、送料は一律、包装も簡易にし、支払いは振り込み一択、配送は定形外郵便の簡易書留(これにすると、全国一律の金額で配送できる。状況に応じユウパックを使う。)にしました(今後、ミンネやヤフオクに行く可能性もありますが。)。
拙い、使いにくいショッピングページですが、気になった方は、どうぞ覗いてみてください。
(自分のホームページにshoppingページを設けるなど、至難の業かと思っていましたが、夢中で取り組んでいくと、思ったより遥かに簡単に出来たことに、驚いています。)
ハンドメイド作家にとって、悩ましいことのひとつに、作品の値段をどう設定するか、という問題があります。
多くの人は、販売を開始する時、すでに活躍している同ジャンルの作家を参考に、同程度の価格か、それより少し安い価格をつけているのではないでしょうか。
通常の商売では、原価に利益を乗せます。
自分の1時間当たりの作業単価(世間相場)に、かかった製作時間を掛け、それに材料費に幾ばくかの利益を乗せる、というのがビジネスの常識ですが、ハンドメイド系の作家がこのスタイルで価格設定した場合、かなり高額になってしまいます。
大体の作家は、自分の作業単価を計算しておらず、赤字にならないよう、原価に少し利益を乗せる程度で価格設定しています。
それでも、ハンドメイドに馴染みのないお客さんは、大量生産のプロダクト品と比較して、なぜこんなに高いのか、と思うようです。
まあ、実際に買って頂くのは、ハンドメイドの何たるかを理解している方なので、どう思われようが、構わないのですが。
僕の場合、まだまだマニア層には知名度が低いと思われるので、多くの覚えて頂きたいために、少し安目の価格設定をしています。
よく「自分が買ってもいいと思う値段をつけろ」という方がいますが、そういう観点からみれば、現時点の自分の作品は、まだ高いかも、と思う時もあります。
このブログを読んでくださる方に正直に告白しますが、今後は、お客さんの反応を見ながら、色々付加価値をつけていって、少しずつ値段を上げていきたいな、と思っています。
何故なら、安い値段の作品は、それなりの扱いしかされないからです。
時々、趣味でやっているからという理由で、とんでもない安い値段(一般的な価格帯の半値以下。)で販売している方がいますが、これは市場を荒らすだけではなく、その方の作品の価値も下げていると思うのですが、どうでしょうか。
逆にとんでもない高額な価格をつけている方もいますが、買う方がいる以上は、その方にとって全く問題ない、と思います(買う方がいなくても周囲に悪影響はないと思います。)。むしろそういう方が、市場自体の価値を上げてくれるので、素晴らしいことです。
1点ものなら、心底気に入った方にとって、値段など関係なくなるは思うのですが、作り手にとって、価格を上げていく、というのは、とても勇気がいる行為です。
前回に引き続き、「U15ABC」に関連する話をします。
U15ABCは、身長(高さ)が、15cm以下のぬいぐるみ・テディベアに限定した展示会でした。
15cm以下とはいっても、実際はほとんどが10cm以下のミニサイズが主流ですが・・。
自分のように普段20cmサイズも作っている、という人はむしろ少数派で、小さめのサイズをメインに作っている方が集結したという感じのイベントでした。
但し、小さいといっても2種類あり、2~3cm程度の極小サイズと、5~10cmのサイズに分かれていたようです。
(僕は、今回の出店にあたって、10cmから、ギリギリ極小サイズ一歩手前の4cm程度の作品まで制作しました。)
しかも、極小サイズに特化している人は、ムシメガネで見ても粗が目立たないような、精巧な作りの方が殆どでした。
制作過程を聞くと、たとえ2cmでも、いや2cmであるからこそ、その苦労は大変なもので、10cmサイズのものより、遥かに時間がかかることがよく理解できました。
一般的な作品の価格帯も、6~8cm辺りが底で、それより小さくなると高くなっていくのも、当然のことといえるでしょう。
また、10年以上前から、4~5cm程度の小さいサイズを作るようになった、ある作家さんから聞いた話ですが、自分は真似しているわけではないのに、〇〇さん(凄く人気がある方)に似ている、真似している、と言われることが続いたことで不愉快になり、作風は変えずに、サイズだけを思い切って小さくしたら、一切言われなくなった、とのことでした。
お客さんも、サイズを個性と考えているようです。
自分としては、素材も、モチーフも、大きさも一切こだわらないで、自由に作っていきたいと思うのですが、作っていて一番楽しいのが20cm前後のものです。
何故なら、色々な工夫や実験的アイデアを、作品の中に盛り込めるから。
小さくなればなるほど、工夫やアイデアを作品に落とし込むのが、とても難しくなるようです。極小サイズをメインに制作している方数名からお話を聞いた感じだと、小さく作ること自体に、喜びを感じていることがわかります。
性格的に向いていない人には苦痛になると思うのですが(僕もあまりに小さな作品の制作には苦痛を感じると思います。)
9月1~2日の2日間に渡り、表参道で行われたイベント「U15ABC」が無事終了しました。僕は今回が、初めての参加でした。
このイベントは、15cm以下(殆どの作品が10cm以下)のテディベアやぬいぐるみに特化したイベントなのですが、お客様も、ミニチュアベア好きの方が集まったようです。
以前10回ほど開催されていたのを7年間お休みの後、4年前に復活したもので、主催は私企業ではなく、ミニチュアベア作家の国本雅之さんと、小町さえりさんのお二人です。
約50名の作家が集結し、大勢のお客さんが押し寄せました。
小さいぬいぐるみが好きな方には、たまらないイベントになっています。
出展者にとっては、利益を上げようとする私企業のイベントではないため、実にアットホームで、居心地の良いムードで終始しました。
初日は、出展者全員が参加する懇親会も開催され、多くの方とお話も出来ました(とにかく、出展者同士の心理的距離が近い感じがします。)。
僕自身は、ミニチュアベア作家ではないのですが、このイベントに出席するため、前回のアイドールに引き続き、この1か月間は、10cm以下の作品を作り続けました(もう2カ月間も、小さな作品を作り続けています)。
小さな作品は、大きい作品と比べて、むしろ手間がかかり、製作に苦労するのですが、今回U15ABC出展という目的があったので、なんとか作り続けることが出来ました。
お客さんは、15cm以下ということもあり、ドール(特にブライス)に持たせるために、買う人が多かったようです。
このイベントでは、3cm以下の作品をメインに手掛ける方の出展もあり、その制作秘話を聞いていると、自分の作品(10~5cm)などは、手間がかかるとか、苦労するとかいうレベルではないことがよくわかりました。
場所を取らないというだけではなく、やはり、小さな作品は、それ独特の魅力があり、コレクター魂を刺激するようです。
僕自身は、20cm前後の作品を作るのが一番楽しいのですが、並行して、10cm以下の作品も作っていきたいと思っています。